アムステルダム・後編

兜先生「その通り。ロッテルダムアムステルダムと同じ名前の付け方だ」

上田「ロッテル川のダムということですか?」

兜先生「いや,ロッテルじゃなくてロッテ川だね」

スギタ「ロッテ?ロッテというとガムくらいしか思い浮かばない」

二階堂「貧弱な発想だ」

スギタ「ほっとけや💢それにしても『ル』はどこから来たんだ?」

兜先生「ロッテルダムオランダ語ではRotterdamでロッターダムと発音される。ロッテルダムはどちらかというとフランス語的な発音に近い」

二階堂「確かロッテ川の上流にはマース川があり,マース川はフランスからベルギーを経てオランダにたどり着いたように記憶しています」

兜先生「さすが二階堂君。1250年頃に,ロッテ川とマース川を仕切る堤防が造られ,その後16世紀頃から港町として栄え,オランダ第二の都市へと発展していった」

上田「なるほど,オランダは国の面積の4分の1が海面以下と聞きますが,こうした苦労が国を支えているんですね」

兜先生「運河と海路を繋ぐことで貿易の拠点となり,船の通り道を造ったことは歴史的な観点でも大きな役割を果たしているね」

上田「長崎にオランダ村がありますが,日本との関係も深いんですか?」

兜先生「そうだね。神戸港とは姉妹港提携を結んでいる」

二階堂「そう言えば以前神戸のメリケンパークに行きました。その中に『マーブリング・キッズ像』というのがあって,神戸港ロッテルダム港の姉妹港提携20周年を記念したもの,と説明があったような」

スギタ「おまえ,どれだけ記憶力がいいんだ」

兜先生「そうだね。子供が遊びに興じているビー玉はオランダから伝えられたもので,日本には最初に神戸に伝えられたと言われている」

上田「オランダか。なんだか親近感が湧いてきたぞ」

兜先生「親近感が湧いてきたところでクイズだ。次のうちオランダ語はどれだ。ボタン,ランドセル,オルガン」

スギタ「みんなカタカナじゃないか。英語じゃないのか?」

上田「カタカナ=英語って,おまえ小学生か?う~ん。なんとなくランドセルっぽいかな」

八木「私はオルガンにします」

スギタ「俺はボタンだ。牡丹に蝶と猪で勝負」

兜先生「花札か💢」

二階堂「僕はランドセルにします」

兜先生「なるほど。全部出そろったな」

スギタ「勝負や!」

兜先生「正解はランドセル。オランダ語ではranseluと書いてリュックサックを意味する。ランドセルはここから来たことばだ」

スギタ「あらま,負けちまった。もうひと勝負」

兜先生「おいおい💨。ちなみにボタンとオルガンはポルトガル語由来だな」

上田「アー,そうだった」

兜先生「よーし。今日の授業はここまで。しっかり復習しておくように」

一同「はーい」