家事の経済学・3

兜先生「昭和の時代は家事=母親の仕事といった図式がほぼ成り立っていた。サザエさんに見るように,男は外で働き女は家庭を守る。それが当たり前だった」

ななみ「確かにサザエさんではお母さんのフネさんもサザエさんも働いていないわ」

上田「その代わり食事の準備や洗濯のシーンは描かれている。その一方で,波平さんやマスオさんが洗濯するシーンはあまり記憶にない」

ななみ「たまに食事の準備を男性陣がすると,ちょっとしたハプニングがあるものね」

兜先生「それが良き昭和の時代だったんだね」

上田「でも今や平成も終わりを告げていますよ」

兜先生「そうだね。今の時代は多くの女性が働いている。それゆえ主婦という概念も変わってきた。けれども今日はあえて主婦の家事による賃金に注目してみよう」

ななみ「主婦って一日にどれくらい労働しているんですかね」

兜先生「おっ,ななみちゃん。いきなり『主婦の労働』発言だね。男子が先に言わなくてよかったかも」

ななみ「どうしてですか?」

兜先生「男子からの発言だと,『やっぱり家事は女がするって決めつけている』と言われかねないからね」

ななみ「私そんなこと言いません」

スギタ「ふん,どうだかな。真っ先に言いそうだぜ」

ななみ「そんなことないもん💢」

兜先生「まあまあ,抑えて抑えて。ところでこうした家事の労働力の賃金への換算は,いろいろなところで試みられてきたんだな」

二階堂「厚生労働省の賃金基本統計調査では30代女性の時間給はおおよそ1500円なので,もし一日6時間家事をしたならば月収27万円になります」

上田「げげっ,すごい」

ななみ「やるー😄お母さん」

二階堂「家事代行サービスは,会社によって差があるので一概には言えないですが,平均的な数値は時間当たり2000円から3000円のようです。真ん中を取って2500円と仮定し先ほどと同じように計算すると月間で45万円になります。年間では優に500万円を超えます」

ななみ「もはや高給取りだわ」

兜先生「おいおい,二階堂君。先生の仕事取らないでくれよ😭」

上田「それにしてもこう計算法が多いと評価の仕方が難しくありませんか」

兜先生「その通り。二階堂君が言ったもの以外にも,それこそさまざまな評価・計算法がある」

ななみ「数学みたいに公式が無いんですね」

兜先生「そうだね」

上田「それじゃあ評価すること自体に意味無いんじゃないですか?」

兜先生「おっ,いいところに目を付けたね」

つづく