兜先生「政治経済の教科書には,『経済活動とは』が書かれている。ななみちゃん,読んでみて」
ななみ「はい。私たちが日々生きていくためには,経済活動を行うことが必要である。経済活動には,財やサービスなどを作り出す生産活動,生産された財やサービスを生産要素の所有者に所得として分ける分配活動,分配された所得を支出する消費活動の三つがある」
兜先生「はい,ありがとう。まず,経済活動は日々生きていくために必要であると述べている」
ななみ「毎日生きていくのは家の中でも必要なのね」
上田「確かに。食事ひとつとっても,大事な経済活動なんだ」
兜先生「家計簿を付けるまでもなく,日々の支出はありそれを管理するのも家事の一つ。小さいながらも家を守るということは,経済活動をきっちりしているんだな」
二階堂「ゴミの捨て方は環境問題に,税のあり方は国税に関わる一方,個々人の生活にも響いてきますね」
兜先生「最近ではパートと扶養家族の問題が浮上している」
ななみ「お母さんから聞いたことあるわ。知り合いの人がパートしていて,年収の上限がどうとか」
スギタ「どうとかじゃ分からんじゃないか。いい加減だな」
ななみ「だって,そんなこと私に関係ないもん💢」
兜先生「年間の収入が106万円,月収が8万8千円を超えると夫の扶養から外れ,社会保険料が掛かるという仕組みなんだ」
ななみ「それがそんなに大変なことなんですか?」
兜先生「パートでの収入が増えても,扶養から外れると保険料を払わなければならなくなる。すると給料が増えた分保険料で引かれるから,実質手取りは減ってしまうことがあるんだな」
ななみ「えーっ。そんなことあるんですか」
兜先生「実際に起こり得ることだね」
上田「何とかなりませんか」
兜先生「今すぐ解決はしない。けれどもこれからの社会を作って行くのは君たちだ。経済学には家庭内のことから見るミクロ経済が,こうして企業や税のことまで関わってくる。マクロな世界へと飛び出せるんだ」
スギタ「マグロは外洋で泳ぐけどな」
兜先生「スギタ!!」
スギタ「ひぃー💦ごめんなさい」
兜先生「家事の経済学は経済を学ぶ上でひとつの切っ掛けになった。これからもさまざまな視点を持って学んでいこう」
一同「はい」
兜先生「では今日の授業はこれまで」