兜先生「家事を労働として評価する方法が確立されていない。それゆえ評価すること自体の意味合いがない。上田君の意見だね」
二階堂「評価法がバラバラだとそこに主観が入ってしまいます。それでは経済『学』とは言えない気がします」
兜先生「なるほど。では学問とは何か?」
上田「問,すなわち問題提起をし考察して学びを得る。でしょうか?」
二階堂「確かWikipediaにはこう書いてありました。『一定の理論に基づいて体系化された知識と方法であり,哲学や歴史学,心理学や言語学などの人文科学,政治学や法律学などの社会科学,物理学や化学などの自然科学の総称』(引用)です」
上田「お前ホントに何者だ💦」
兜先生「一定の理論というのがあったね」
ななみ「ということは理論がありすぎると学問じゃないってことですか」
兜先生「そこまで極論するのはどうかな。『体系化された』という点にも注目することだね」
上田「家事の評価方法はいろいろあるけど,それぞれがバラバラで体系化されてないですよね」
兜先生「その通り。経済学はアダムスミスの『国富論』で定義され,その後エンゲルスは『経済学は本質上,ひとつの歴史的科学である』と記している」
ななみ「エンゲルス!エンゲル係数を考えた人ですか?」
兜先生「いや,違うんだな。エンゲル係数を考えたのはエンゲルスと同じドイツの経済学者エルンスト・エンゲルなんだ」
スギタ「エンゲルスとエンゲル,エンゲル係数を考えた学者はドイツだ?なんちゃって。何だか授業ぽくなってきたぜ」
兜先生「授業してるんだよ💢。茶々入れるな。その後さまざまな経済学者によって経済学の定義がなされている。科学ではなく倫理学だとか」
上田「結局のところ,経済学は経済学でいいんじゃないですか?」
兜先生「確かにその通りかもしれない。けれども今大事なことは経済学の定義じゃなくて家事の経済学だ」
二階堂「経済学の定義の話を振ったのは先生ですよ」
兜先生「あれ,そうだったっけ。すまん」
ななみ「先生,家事の経済学に話を戻しましょう。それが大事だわ」
つづく