ここ明明(ミンミン)ゼミナールには,明治大学を目指す明大中野校と明大中野八王子校の生徒が日々勉強をしに来ている。
そんな彼ら・彼女たちの日常の様子は……
※ 明大中野校・明大中野八王子校に関して聞いてみたいことがある方は,コメント欄もしくはメールで投稿して下さい。
塾長「先日,高校2年生対象の明大推薦テストが行われました」
梅太郎先生「今年も代々木ゼミナールの共通テスト模試でしたね」
塾長「そうですね。ここ三年間は代ゼミの模試なので,この傾向は続くかも知れません。もっともどこの予備校の模試であっても,成績が左右されないように指導していかなければなりません」
兜先生「明大中野校のみ自己採点したと聞きました」
塾長「ええ,試験当日に自己採点したのは中野校のみです」
兜先生「明大中野八王子校は自己採点するのでしょうか?」
塾長「それは分かりません。過去には『後日』に自己採点したこともありますが,結局予備校からの成績表が届くまで自分の点数が分からなかったこともありました」
梅太郎先生「まだ今回の試験で推薦が決まるわけではないので,それほど緊急性はないのでは」
塾長「確かにそうですね。結果が気になる気持ちは分かりますが,今は次に向けてやれることを考えた方がいいですね」
兜先生「とは言うものの,我々は塾生の自己採点結果が気になります」
梅太郎先生「集計は取ってあります」
塾長「どう分析できますか?」
梅太郎先生「国語は上下の差が激しかったです。10段階評価で上は9から下は4まで居ました」
兜先生「9は立派だけど4はちょっとまずいですね」
梅太郎先生「古典で得点が出せなかった生徒の評価が低かったようです」
兜先生「古典ですか?明大中野生の弱点だ」
塾長「数学はおおむね理系の生徒は良かったけれども,文系は苦戦したようですね」
梅太郎先生「ええ,理系と文系で平均点が3点近く差がつきました」
兜先生「3点も!そうなると3年での社会科の選択科目を慎重に考えないとだめですね」
塾長「新課程一年目の社会科の選択は難しどうですね」
兜先生「学校の社会科の進度と,受験できる科目選択があまりマッチしていないので苦労しそうです」
塾長「そこは塾としてしっかり指導していかなければなりません」
兜先生「地理歴史中心にするか,公民系で勝負するか」
塾長「今後,生徒からの質問・相談が増えると思いますが,ここは社会科担当の兜先生,頑張ってください」
兜先生「頑張ります!」
狭間先生「今日の授業は『はやぶさプロジェクト』に関する文章です」
ななみ「やったー!大好きな宇宙の話ね」
上田「俺たち理系にとっては苦手な英語の中で救われる題材だ」
スギタ「俺は文系だけど,どの題材でも救われたことがないぜ」
狭間先生「じゃあ,まずは本文を読んでみましょう。The Hayabusa Project was very ambitious. JAXA set very difficult goals for the mission. ここまで,はるかちゃん訳してみて」
はるか「はい。はやぶさプロジェクトはとても野心的でした。 JAXAは任務のために非常に難しい目標を設定しました」
狭間先生「うん,いいわね。ambitiousは野心的なという意味より,ここでは意欲的な方がいいかも。きちんとした計画だから」
ななみ「JAXA行ったことある。明八の生徒は横浜線沿線が多いから身近よね」
上田「それにしてもすごい計画だよな」
二階堂「本文にはイオンエンジンについてこんなことも書いてある。An ion engines uses electric fields. Its power is so small that it can only lift a one-yen coin. イオンエンジンは電場を利用する。その力は1円玉を持ち上げることしかできないほど小さい。と」
はるか「ええ!そんな小さな力で何の役に立つの?」
二階堂「宇宙空間は重力も空気抵抗もないからわずかな力で動くことができるとそのあとに説明してある」
スギタ「そんなもの宇宙飛行士に操縦させればいいじゃん」
ななみ「もうー,スギタは。宇宙飛行士が乗ってるわけないじゃん」
スギタ「えええ-!そうなんだ😲。じゃあ誰が操縦してるんだ?」
狭間先生「じゃあ,スギタ君。ここを訳してみて。Developimg an autonomous navigation system was another goal.」
スギタ「ひぃー😂無理でーす。知らない単語だらけだ~😭」
狭間先生「最初の文章は『自立型ナビゲーションシステムよ』」
スギタ「ええ!じゃあ,自立型ナビゲーションシステムは別のゴー---------ルです,だ」
上田「サッカーの中継か?」
狭間先生「そうね。自立したはやぶさはその後ミッションを成功させるのよ」
二階堂「けれども最後のミッションが大変だったんですよね」
ななみ「どういうこと」
上田「俺知ってる。地球に戻るとき通信網が故障したんだ」
二階堂「そう,そして地球に帰還出来なくなる事態が出たんだ」
ななみ「そんなぁ。ずっと頑張ってきたのに」
はるか「何とかならないの?」
狭間先生「そこからが感動の物語よ。IN June 2010,Hayabusa,badly damgeded,was fainally approaching the EARTH..二階堂君,お願いね」
二階堂「2010年6月,大きなダメージを受けた はやぶさがついに地球に接近しました。はやぶさは土の標本を入れたカプセルを無事に放出しました。そして間もなく流れ星のように燃え尽きます」
上田「お前,その先まで訳したな」
ななみ「えええ~😭」
スギタ「お前,何泣いてるんや?」
ななみ「スギタの鈍感💢はやぶさが燃え尽きちゃうんだよ」
スギタ「えええええー,宇宙飛行士はどうなっちゃうんだ💦」
上田「お前何聞いてんだよ💨無人なんだよはやぶさは」
狭間先生「そして管制塔のプロジェクトマネージャーの川口さんは,はやぶさに最後の指令をこう出したのよ。“Take a photo of the EARTH” 地球の写真を撮れ」
上田「そうか,それがこの写真なんだ」
ななみ&スギタ「😭😭😭」
はるか「すごいね,頑張ったね。はやぶさ」
狭間先生「川口さんはこう締めくくっているわ。We'd like to be leaders in the new age. Setting high goals means facing great difficult. 新しい時代のリーダーになりたい。 高い目標を設定するということは,大きな困難に立ち向かうということです。さらにこう続くのよ。はやぶさの地球の写真を見ていると『あきらめるな!希望と自信を持って未来に歩んでいこう!という声が聞こえてきそうです」
ななみ「すごいね,はやぶさ。私も負けないくらい未来に向かって突き進むわ」
狭間先生「素晴らしいね。ななみちゃん,応援してるわ!」
ななみ「塾長!わたし物理の教科書で発見しました」
塾長「おっ,何かいいものがあったかな?」
スギタ「寿司屋のネタか?」
ななみ「違~う💢物理の教科書の下に,毎ページ問題が書いてあるんです」
塾長「ほう。どんなことがあるのかな」
ななみ「熱量のところがおもしろいんです。例えば『ポテトコロッケに比べてクリームコロッケの方が中身が冷めにくいのはなぜ?』とか,『汗が体を冷やすことができるのはなぜだろう?』とかです」
塾長「なるほど,興味深いね」
二階堂「前者は比熱の違い,後者は気化熱ですね」
ななみ「もー💢二階堂君のバカ!」
二階堂「失礼」
塾長「二階堂に掛かったら大変だな」
ななみ「こんなのもありました。『ストローで水を吸い上げられる高さに限界はあるだろうか?』もちろん地球上での話です」
上田「1メートルくらいかな」
はるか「そんなの無理よ。せいぜい50cmくらいじゃない?」
スギタ「100メートル<(`^´)>エッヘン」
はるか「無理に決まってるじゃない」
スギタ「俺の辞書に不可能という文字はない」
上田「お前が辞書持っていたの初めて知ったぜ」
はるか「で,正解は」
ななみ「何と理論的な限界は10メートル」
スギタ「惜しい!」
上田「いやいや,お前の10分の1だぜ」
塾長「なるほど。その理由は分かるかな?」
ななみ「はじめは信じられなかったんです。でも,もしかして重力加速度9.8と関係があるんじゃないかと推測しました」
塾長「なるほど。一種の仮説だね。さすがリケジョのななみさん」
ななみ「水の密度が1.0なので,水1.0kgの重力はmg=9.8≑10が関係するのかなって」
塾長「水が吸い上げられるために必要な外からの力があるよね」
ななみ「外からの力?外力のこと………。あっ!大気圧だ」
塾長「その通り。大気圧は約1気圧=1013ヘクトパスカルだったね」
ななみ「その力と水の重力が一致するんだ」
塾長「考え続ける大切さをコラムから学んだね」
スギタ「(-_-)゚zzz…」
ななみ「スギタ!あんたにもわかる問題出してあげるわ」
スギタ「なんだなんだ?」
ななみ「『○○力という言葉にはどんなものがあるか?』これならどう?」
スギタ「待ってました。『権力・財力・ばか力』」
塾長「やれやれ。かろうじてばか力だけは物理だな」
ななみ「まだまだおもしろい発見します」
塾長「授業の途中だけれどもみんなは教科書をきちんと見るかな」
はるか「勉強の基本は教科書です。私は教科書を大事にしてます」
上田「確かにそうかもな。でも,教科書ってまわりくどくないですか?」
塾長「科目にもよるけどな。数学においては実は教科書が基本であり,模範解答でありそして数学の勉強の基本となる」
二階堂「確かにそう思います。数学の試験勉強は教科書の例と例題,それに問と節末問題さらには章末問題を解けばたいていの問題は解けます。欲を言えば教科書の後ろにある演習問題までやればほぼ完璧ですね」
上田「問題集はやらないのか?」
二階堂「必要ないね。教科書だけで十分。もっとも,ぼくの場合は春休みや夏休みのうちに予習で全部解いちゃうけど」
上田「はいはいお疲れさま」
塾長「それはさておき,教科書にはたくさんのお楽しみがあるのは知っているかな?」
スギタ「袋とじかな?」
ななみ「ハイッ!スギタ退場」
スギタ「何だよいきなり。そりゃないぜ💢」
塾長「まあまあ,これからが本題なんだから」
上田「以前も教科書にはおまけの面白いものがあるって言ってましたよね」
塾長「その通り。教科書は無味乾燥なものではないんだな。例えば化学基礎の教科書には『花火と炎色反応』というコラムがあるんだ」
ななみ「炎色反応ですか?」
はるか「何だったっけ?」
ななみ「金属の水溶液が燃えるとその金属元素によって色が決まっていることだよ」
二階堂「ナトリウムなら黄色,カリウムは紫色,カルシウムなら橙赤色だね」
上田「お前,文系のくせに何で知ってるんだ!」
二階堂「去年,化学基礎で学んだじゃないか」
スギタ「でも色なんて人によって感じ方が違うぜ。何だよ橙赤色って?」
塾長「結構結構。そうやって議論できるだけで十分だよ。そもそも色の感じ方は人それぞれ。たまにはいいこと言うな。スギタ」
スギタ「<(`^´)>エッヘン。」
塾長「こうした話題のネタが教科書にはあちこちにあるんだね」
上田「興味深いです」
ななみ「私はいつも試験に関係ないからって読み飛ばしてました」
塾長「こうしたところからも学びはあるんだね。余裕があるときこうした記事を読むのもマイナスではないと思うよ」
塾長「昨年度の明大中野八王子校の推薦のボーダーラインが例年とあまり変わらなかったところもありましたね」
梅太郎先生「理系の学部学科にその傾向がありました。理工学部の電気電子生命学科や農学部の食料環境政策などです」
塾長「どのくらいで行けたでしょうか?」
梅太郎先生「どちらも6点台で行けました」
兜先生「農学部が6点台で行けたんですね」
梅太郎先生「6点台と言っても後半ですがね」
塾長「文系ではどうですか?」
梅太郎先生「文学部文学科と史学地理学科は各専攻の推薦者数が少ないので個々は分かりませんが,今年も文系コースのボーダーは文学部に居たようです。そうそう,心理社会学科の哲学専攻は7点なくても行けたという情報がありました」
塾長「法学部はどうでしたか」
梅太郎先生「今年もトップからボーダーまで居ました。上は9点台から下は6.5までです」
兜先生「結果的に今年も6.5あれば行けたんですね」
塾長「今の高い推薦率になってからはその傾向は崩れないようだね」
兜先生「一学期の段階では,学校の先生はもっと高い数字を言っていたように記憶していますが……」
塾長「まあまあ,学校の先生方にもそれぞれの見解やデータがあるのだからそこは理解しないと」
梅太郎先生「一学期終了時点では指定校に変更する生徒が決まっていなかったり,その後の推移に依るのでしょう」
塾長「そうしたデータをしっかり分析しながら次の年に活かさないといけません」
梅太郎先生「今後も分析しっかりやります」
塾長「年々複雑になりますが,しっかり指導していきましょう」
塾長「明大中野八王子校推薦状況ですが,どんな特徴がありましたか」
梅太郎先生「明大中野校同様,平均点が高かったのでボーダーラインはもちろんのこと,学部学科のボーダーも高くなるのではないかと心配しました」
兜先生「平均点はどのくらい高かったのですか?」
梅太郎先生「文系は8点台後半,理系は8点台半ばでした」
塾長「確かに高いですね。さらに統一学力テストが2回無かったことも影響しました」
梅太郎先生「高校2年の1回目と3年の2回目が中止になりました」
兜先生「喜んでいた生徒も居ましたが,結果的にみんなの平均点が上がるのを忘れないことが大事ですね」
塾長「正しく戦う場があった方がいいでしょう」
梅太郎先生「こうしたことの影響が出た学部,出なかった学部に分かれました」
塾長「影響が出た学部はどこでしょう」
梅太郎先生「例年人気が高い商学部や政治経済学部の政治学科,情報コミュニケーション学部がいつもより高かったようです」
塾長「具体的にはどのくらいでしたか」
梅太郎先生「商学部は7点台前半でも推薦された年があったのですが,今回は7点台の真ん中くらい必要だったようです。情報コミュニケーション学部は7点ぎりぎりでも推薦されたことがあったのですが,ボーダーがかなりアップしたようです」
兜先生「厳しいですね」
塾長「その一方で,例年とあまり変わらなかったところもありましたね」
つづく
梅太郎先生「今年の明大中野校理系ですが,2年次から3年次での文転が30人以上居て,結果的に約100人での争いとなりました」
兜先生「2年次から3年次の文転は,いわゆる理系コースから文系コースに変更することでしたね」
塾長「結果的に理系の学部学科には67人推薦されたのだから,理系の推薦率が極端に低いわけではないですね」
兜先生「でも,文系コースのみだと80%は楽に超えているのだから,やはり理系の方が厳しいのでは?」
梅太郎先生「文系の卒業生は約310人で文系の学部学科には270人ほど推薦されているので85%を超えているのでしょう」
兜先生「85%!明大中野八王子校とそれほど変わらないじゃないですか」
塾長「話を理系の推薦率に戻すと,理系には慶応大学や東京理科大など,かなり難しい大学の指定校枠があり,これらは優に明大推薦が取れる換算点でないと行けません。そうしたいくつかの指定校に推薦される生徒を除けば,案外理系の推薦率も悪くないかも」
梅太郎先生「実際21年度のボーダーは理系の方が低かったです」
兜先生「読みが難しいですね」
塾長「ところで21年度で人気のあった学科はどこでしょうか?」
梅太郎先生「この年に限ったことではありませんが,先端メディア学科は相変わらず高い人気でした。換算点が9.0でも危ないのではないかという話もありました」
塾長「3か年で9.0は尋常じゃないね」
兜先生「逆に行きやすかったのは?」
梅太郎先生「理工学部の応用化学科と農学部の農学科でした」
塾長「それは意外です。人気が高いときには化学科など行きづらいのに」
梅太郎先生「農学部は食料環境政策も含め,案外穴場かもしれません」
塾長「それも年によって変わるから予測が難しい」
兜先生「これからの生徒にとってはもっとも気になるところですね」
塾長「では次は明大中野八王子校の番です」
つづく