非常食

梅太郎先生「おや,リョウタ君。珍しいもの食べてるね」

リョウタ「学校で配られたんです」

梅太郎先生「学校で?それ,非常食だよね」

リョウタ「そうなんです。もうすぐ賞味期限が切れるので配られたんです」

梅太郎先生「なるほど。学校も非常時に備えて常備しているんだね」

リョウタ「へへっ,一食分浮いた。いただきまーす」

梅太郎先生「どうだい,美味しいかい?」

リョウタ「げげっ,まずい。まず過ぎた」

スギタ「呼んだか?後輩」

リョウタ「まさか,先輩を呼び捨てにしませんよ」

スギタ「でも今スギタって聞こえたぞ」

梅太郎先生「学校で貰った非常食がまず過ぎたってことだよ」

スギタ「どれどれ」

パクッ

スギタ「げげっ,ホントにまず過ぎた。お前これ,水で戻したろう」

リョウタ「ええ,だって水でも食べられるって書いてあるから」

梅太郎先生「チャレンジャーだな。塾にはティファールがあるから,お湯を湧かせばよかったのに」

リョウタ「後悔してます」

梅太郎先生「でも非常時には想定できることだ。ある意味いい経験が出来たのかもな」

リョウタ「でも,これが必要ない方がいいですね」

梅太郎先生「もちろん。でもなくてはならないものだよね」

スギタ「『備えあれば嬉しいな』だな」

八木「それを言うのなら『備えあれば憂いなし』でしょう」

スギタ「ほっとけや💢」

リョウタ「まずいけれども僕,全部食べます」

梅太郎先生「偉いね,リョウタ君。ありがたく頂きましょう」