二階堂「明治大学の中でも法学部は大学の中核をなすものですよね」
塾長「確かに明治大学は法科学校から始まった。法学部のパンフレットには『明治大学の歴史は,法学部の歴史でもある』と書かれているようにその重みはあるね」
ななみ「でも法学部って六法全書を片手に,法律のオタクばかり居るイメージがあるわ」
はるか「なんだか堅そう」
塾長「もちろんそういった学生もいるかもしれないけど,塾の卒業生で法学部に進んだ卒業生はそうでもないぞ」
二階堂「どんな先輩方がいましたか?」
塾長「ある卒業生は後輩が法学部に進むか悩んでいたときに,親身に相談に乗ってくれた。ちょっとだけアドバイスして欲しい,と頼んだところ30分以上も法学部のことを説明してくれた」
二階堂「いい先輩ですね」
塾長「うん,いい奴だ。今は彼がなりたかった雑誌社の編集をしている」
ふみや「法学部卒で出版社ですか」
はるか「裁判官とか弁護士じゃないんだ」
二階堂「そう簡単に司法試験は受からないさ」
塾長「別の卒業生は,裁判員裁判のことを話してくれた。ゼミで議論が白熱したときに『善意の第三者の意見に救われることがありました』と言っていたのが印象的だ。彼が法学部=六法全書を覚える,ばかりではないと言っていた」
ななみ「弁護士になったんですか」
塾長「いやいや,商工会議所に就職した」
はるか「法学部に行ったからって,弁護士や裁判官になるわけじゃないのね」
二階堂「難しいからな。司法試験は」
塾長「法学部に限ったことではないが,進む学部と職種が一致するものではない。まったく関係ないところに就職することもある」
はるか「ところで塾長,ここ2・3年で法学部の推薦枠が増えたって本当ですか」
塾長「明大中野校は平成28年度は43名から29年度66名,明大中野八王子校は平成27年度の30名から28年度36名,29年度40名と増加した」
はるか「すごい,すごい増え方ですね」
二階堂「何があったんですか」
塾長「いろいろ内部事情もあるだろうが,まあ事実として素直に受け止めればいいんじゃないかな」
上田「増えたことで最近は法学部の推薦が取りやすくなったようですね」
塾長「確かに今は明大中野校も明大中野八王子校も,ボーダー付近で推薦が取れるようになった」
二階堂「法科の明治としてはプライドが許せない事態だ」
塾長「受験で明大法学部を志望校にしている人にはショックかもな。でも,それはそれ,付属校の生徒としてきちんと考えて,点数に関係なく法学部を選ぶことだね」
八木「栄枯盛衰。世は移り変わるもの」
二階堂「そうだな,人気のあるなしにこだわらずに自分の道を突き進むのみだ」
つづく