塾長「三学期が始まったな」
はるか「今年もお願いします」
二階堂「よろしくお願いします」
ななみ「塾長,おめでとうございます」
上田「本年もよろしくお願いします」
スギタ「賀正」
上田「何だそりゃ?」
スギタ「年始の挨拶だ」
上田「年賀状のイラストかよ」
塾長「さて,年も明けたことだし,今年の目標を言って貰おうか」
はるか「今年は苦手な数学で80点以上を取ります」
二階堂「新しいことをはじめます」
スギタ「何をはじめるんだ?けん玉なら教えてやるぜ」
二階堂「まさか。それは秘密だ」
塾長「勉強面での目標は?」
二階堂「どの科目も最低1回は定期試験で100点を取ります」
上田「おいおい,レベルが違いすぎる」
ななみ「私は数学検定2級を取ります。あっ,もちろん学校の勉強も頑張りますよ」
塾長「おー!2級か。応援しているからね」
上田「俺は一科目でもいいから二階堂越えだな」
二階堂「受けて立とう」
塾長「スギタは何かあるか?」
スギタ「俺か,聞いて驚くなよ。全科目二階堂越えだ<(`^´)>」
上田「驚きはしない。呆れるだけだ」
スギタ「もし達成できたらどうしてくれる💢」
上田「お前のしもべになってやる」
塾長「おいおい,そのくらいにしておけ。スギタ,現実的な目標も必要だぞ」
スギタ「いーや,男なら一度口にしたことは実行あるのみ」
八木「有言実行ですね。でも,不言実行の方が格好がいいと思います」
スギタ「フゲンジッコウ?何だそりゃ」
塾長「まあ,それぞれの目標に向かって今年も元気よく頑張ろう」
一同「はーい」
明治大学の学部・学科 その10・商学部
塾長「さて,明治大学の学部・学科シリーズもこれが最後だな」
上田「商学部ですね」
はるか「あこがれるわ」
塾長「明大の商学部は法学部と同じく,古い歴史を持っている。私学で初めて商学部が作られたのが明治大学だ。明治の商科として長い歴史を持つ」
はるか「人気もありますよね。私も考えています」
二階堂「大学3年からコースを選べますね。確か7つありました」
スギタ「お前は法学部希望じゃなかったのか?」
二階堂「そうだが,基本的なことは押さえてある。経済学の応用を学べるアプライド・エコノミクスコース,金融や証券のリスク管理を学べるファイナンス&インシュアランスコース,職業会計人すなわち公認会計士や税理士など,経理のスペシャリスト目指すアカウンティングコースなど。マーケッティングコースは学生に人気があると聞きました」
スギタ「何ものだ,お前」
塾長「確かに。そこまで説明できる付属校の生徒はそうそう居ないな。それ以外では企業の経営活動を学ぶマネジメントコース,グローバルビジネスの人材育成を目指すグローバル・ビジネスコース,起業家精神に富んだ人材育成を目指すクリエイティブ・ビジネスコースがある」
スギタ「カタカナばっかだな」
塾長「そうだな。それゆえもっときちんと何が学べるかを自分で調べる必要があるね」
はるか「簿記は取っておいた方がいいんですか」
塾長「有った方がいいかもしれないが,まずは高校の成績が大事だ。余裕があればとってもいいけど,それも高校2年までにして欲しい」
上田「3年は学校のことでいっぱいですからね」
二階堂「俺はもう取っている。2級だけどな」
はるか「すごーい。すでに2級も」
上田「法学部志望なのに。必要か」
二階堂「何事も勉強だ。マイナスにはならない」
スギタ「2級がなんだ。俺なんか二段だぜ( ̄^ ̄)」
上田「二段?簿記に段なんかないはずだ」
スギタ「誰が簿記だと言った。けん玉だ。世界一周だってできるぜ」
塾長「おいおい。それはさておきこれで明治大学の学部・学科巡りも世界一周,じゃなくて明大一周できたわけだ。けれどもあくまでもざっと一周だ。くれぐれも自分でもっと調べて,研究することだな」
はるか「もうこの企画はないんですか」
塾長「そうだな。みんなの希望があれば,また新たに試みよう」
上田「そうですね。年も変わるし新たな気持ちで新年が迎えられますね」
塾長「おいおい,締めないでくれよ。みんな,来年も良い年にしよう」
一同「はーい」
明治大学の学部・学科 おわり
明治大学の学部・学科 その9・農学部
塾長「明治大学には私学では珍しく農学部がある」
ななみ「やったー😄。やっと農学部の話になりましたね」
はるか「ななみはリケジョだもんね」
ななみ「そうなの。将来は絶対に食品関係の会社に就職したいわ」
上田「う~ん。理系って結構将来の職業と結びつけて学科を選ぶことが多いな」
はるか「その点では目的意識が高くて羨ましいわ」
塾長「文系でも親の仕事を継ぎたいので会計士や税理士を目指している生徒も居るね」
上田「でも,それって親が会計士や税理士だからという,限定的なケースですよね」
はるか「親が開業医とか建築屋さんとかと似ているわ」
ななみ「もー,そんなことより農学部の話にしましょう」
上田「食品関係に就職する場合,どこの学科がいいのかな?」
ななみ「私は農芸化学科を考えているの。あとは農学科かしら」
はるか「難しそう。農芸化学科って何を勉強するの」
ななみ「食品の安全性を考え,土壌から研究することや食品衛生の研究もあるわ」
はるか「ただ単に美味しいものを追求するわけじゃないのね」
塾長「その他には微生物に関する研究もある。かつて微生物の世話をしていた学生が,年末年始も世話しに行かなければなりません,って言ってたな」
上田「年末年始も大学に行くの。可愛そうに」
塾長「そうでもないんだな。我が子の成長を楽しむように見えたけど」
ななみ「その気持ち,分かるわ。一生懸命世話した分,ちゃんと成長してくれたら嬉しいよね」
上田「農学科との違いは?」
塾長「どちらも食品と環境がベースになってるけど,農学科は社会で活躍すべく人材育成を,農芸化学科は最新技術,すなわちバイオテクノロジーによって問題解決をしていく点かな」
はるか「他にも生命科学科と食料環境政策学科がありますね」
塾長「生命科学科の人気は高く,理系の中でも成績が高い生徒が希望する傾向にあるね。食料環境政策学科は以前は農業経済学科と呼ばれていた。昔の名の通り,農業に関する経済学が中心なので,唯一文系の生徒が推薦可能な理系の学科だね」
はるか「文系でも行けるんですね」
塾長「事実,明大中野校も明大中野八王子校も文系の生徒が推薦されている。文系からの推薦者数の方が理系のそれよりも多い年も珍しくない」
上田「なるほど。一度は考えてみる価値ありですね」
塾長「明大中野八王子校においては,農学部は女子に人気がある」
ななみ「よーし。私,女の戦いで勝ち抜くわ」
スギタ「おー,こわ」
つづく
明治大学の学部・学科 その8・情報コミュニケーション学部
さくら「先輩達がよく『情コミ情コミ』って言ってますが,明治大学にコミュニティーでもあるんですか」
はるか「さくらちゃん,コミュニティーじゃないのよ。正式には情報コミュニケーション学部。学部のひとつなの」
スギタ「情コミ情コミ」
はるか「何よ,スギタ」
スギタ「先輩達がよく言っているんだろう。情コミって」
はるか「だからって意味もなく言わないでよ」
スギタ「おっ,突っコミ」
塾長「茶化しちゃだめじゃないか。かわいい後輩が聞いてるんだから」
さくら「情報コミュニケーション学部か。どんなこと学ぶんですか?」
塾長「情報コミュニケーション学部の基本的なコンセプトは,自ら問題を発見し,問題を分析し,問題を解決していく,となっている」
さくら「う~ん,難しくてよく分かりません」
はるか「さくらちゃんは将来やりたいことはあるの」
さくら「たくさんあります。英語を勉強したいし,ダンスにも興味があります。人と接することも好きなので,アナウンサーなんかもいいかな」
塾長「おやおや,盛りだくさんだな」
はるか「でも,そういう人には情コミが合うかもしれないわよ」
さくら「本当ですか?」
はるか「先輩に聞いた話では,ダンスやゲーム,アニメなどのサブカルチャー的なゼミがあるみたい」
スギタ「それに試験が少ないから楽らしいぜ」
上田「お前らしいな」
塾長「確かに情コミに進んだ卒業生は楽だと言っていたな。けれどもその反面,自分で目的意識が薄いままで過ごすと,何も得ることがないとも言っていた」
はるか「きちんと問題を探して,解決する方法を学ばなければいけないのね」
スギタ「よし,決めた。俺,情報コミニューケーションにした」
二階堂「ダメだな」
スギタ「何でだよ」
二階堂「コミニューケーションじゃなく,コミュニケーションだ。よくある間違いだが,学部名もきちんと言えないなら諦めろ」
塾長「おっと,手厳しいな」
さくら「ふ~ん。ダンスやアニメか。面白そう」
塾長「でもさくらちゃんはまだ中学生だから,もっと見聞を広めてから学部選びをしたらいいね」
さくら「はーい」
つづく
明治大学の学部・学科 その7・政治経済学部
はるか「最近知ったんですが,経済って言葉は省略語だったんですね」
塾長「ほほう,どんな言葉を省略したのかな」
二階堂「経世済民です」
はるか「もー🐮二階堂君のバカッ。私が言いたかったのに」
塾長「経世済民。そうだね,中国の古典に登場する言葉でその意味は…」
はるか「だめだめ,今度こそ私に言わせて。世を経(おさ)め民を済(すく)う,です」
上田「ということは,明大政経学部ってどれだけ省略してるんだよ」
塾長「省略の度合いは置いといて,言葉本来の意味を考えるのは大切なことだね」
はるか「そこでなんです」
スギタ「どこだよ」
はるか「私,経済について考えてみたいなって思い始めました」
塾長「どういった所に興味を持ったのかな」
はるか「まさしく経世済民です。世の中の経済の仕組みを学んで自分が将来どんなふうに社会の一員として役に立つ人間になれるか考えました」
塾長「なるほど。そうなると上田君の言うところの政治経済学部がぴったりだね」
二階堂「政経学部は政治学科と経済学科それと地域行政学科から成っています」
塾長「そうだね。はるかちゃんの希望は経済学科ということかな」
はるか「まだそこまで深くは決めてません。興味があるというだけです。政治学科で国際政治に関する勉強もしたいし,地域行政学科で学んで地元に恩返しするのもいいかな,って感じです」
上田「地域行政って,地方公務員になるための学科なんですか?」
塾長「専門学校ではないからそれに特化しているわけではない。けれども,地方公務員や政治家あるいは起業家の人たちが来て授業をしてくれるゼミもある」
はるか「社会で活躍している方のお話しが直接聞けるんですね」
上田「経済学科は数学が必要と聞きましたが」
塾長「確かに経済学には数学の知識があった方がいいね。以前経済学科に進んだ卒業生が来たときに見せて貰ったレポートは,英文で書かれた文書にさらにグラフや数式が入っていた」
はるか「ええー💦ついていけるかしら」
塾長「大丈夫。君たちは高校でそれなりのレベルの数学を学んでいる。だから一般受験で入学してくる平均的な学生よりは数学力があると思っていいんだよ」
スギタ「よし!決めた。俺経済だ」
上田「その前にお前は成績上げなくっちゃな」
スギタ「塾長,俺を済民して下さい」
塾長「よし,今日から特訓だ」
スギタ「ええっ😅」
二階堂「頑張れよ,スギタ」
つづく
明治大学の学部・学科 その6・国際日本学部
はるか「塾長,英語の勉強をきちんとするためにはどの学部がいいですか」
塾長「明治大学の場合,英語専攻といえば英米文学科があるね」
はるか「知ってます。でも英米文学科はどちらかというと英語の文学を学ぶってイメージがあるんです。語学としての英語を学ぶ場合はどうですか」
塾長「なるほど。だとすると,語学としての勉強とはどういうものになるのかな」
はるか「ええっ💦質問返しですか。う~ん。会話はもちろんのこと,その国の文化や習慣などを学ぶことかしら」
上田「会話出来るようになるだけなら大学より英会話スクールの方が手っ取り早い気がするけど」
はるか「そうかもしれないけど,もっと幅広く世界を広げたいの」
塾長「明治大学には比較的若い学部に国際日本学部というのがある。ここでなら語学の習得をしつつ,グローバルな観点でものを見ることが出来るかもしれないよ」
はるか「どんな勉強が出来るんですか?」
塾長「国際日本学部では,他学部とは異なり学科や専攻といった区分はしていない。『~領域』として,いくつものコンテンツを備えている」
はるか「どんなコンテンツがあるんですか」
塾長「例えば日本のアートやアニメの分析をするポップカルチャーや,絵画,美術,ファッションなどを研究する視覚文化研究,世界で活躍する人材育成を目指す国際関係・文化交流研究などがある」
上田「情報コミュニケーション学部と似ていますね」
塾長「そういう部分もあるが,根本は日本と世界をつなぐところにあるようだ。学部長からのメッセージにそうある」
上田「またずいぶん大上段に構えていますね」
はるか「それくらいの気概が必要なのよ。今の時代は。男の子も強くなってね」
塾長「やれやれ,上田君押され気味だな」
上田「そんなことありませんよ。ところで留学生が多いと聞いたことありますが,実際はどうなんですか?」
塾長「以前バイトで英語を教えていた先生の話では,ゼミによっては半分が留学生のこともあると言っていた」
はるか「どこの国からの学生ですか」
塾長「アジア圏の韓国や中国,インドからの学生も居る。アメリカやカナダ,イギリスにジャマイカと言っていたかな」
はるか「ジャマイカ!すごいですね」
塾長「外国の人たちと触れることによって,より一層自分が日本人であることを日本に居ながらにして意識できるかもね」
はるか「ちょっと興味が湧いてきたわ」
塾長「その姿勢が大事だね。自らもっと深く研究してみるといよ」
はるか「はい!そうしてみます」
つづく
アムステルダム・後編
兜先生「その通り。ロッテルダムもアムステルダムと同じ名前の付け方だ」
上田「ロッテル川のダムということですか?」
兜先生「いや,ロッテルじゃなくてロッテ川だね」
スギタ「ロッテ?ロッテというとガムくらいしか思い浮かばない」
二階堂「貧弱な発想だ」
スギタ「ほっとけや💢それにしても『ル』はどこから来たんだ?」
兜先生「ロッテルダムはオランダ語ではRotterdamでロッターダムと発音される。ロッテルダムはどちらかというとフランス語的な発音に近い」
二階堂「確かロッテ川の上流にはマース川があり,マース川はフランスからベルギーを経てオランダにたどり着いたように記憶しています」
兜先生「さすが二階堂君。1250年頃に,ロッテ川とマース川を仕切る堤防が造られ,その後16世紀頃から港町として栄え,オランダ第二の都市へと発展していった」
上田「なるほど,オランダは国の面積の4分の1が海面以下と聞きますが,こうした苦労が国を支えているんですね」
兜先生「運河と海路を繋ぐことで貿易の拠点となり,船の通り道を造ったことは歴史的な観点でも大きな役割を果たしているね」
上田「長崎にオランダ村がありますが,日本との関係も深いんですか?」
兜先生「そうだね。神戸港とは姉妹港提携を結んでいる」
二階堂「そう言えば以前神戸のメリケンパークに行きました。その中に『マーブリング・キッズ像』というのがあって,神戸港とロッテルダム港の姉妹港提携20周年を記念したもの,と説明があったような」
スギタ「おまえ,どれだけ記憶力がいいんだ」
兜先生「そうだね。子供が遊びに興じているビー玉はオランダから伝えられたもので,日本には最初に神戸に伝えられたと言われている」
上田「オランダか。なんだか親近感が湧いてきたぞ」
兜先生「親近感が湧いてきたところでクイズだ。次のうちオランダ語はどれだ。ボタン,ランドセル,オルガン」
スギタ「みんなカタカナじゃないか。英語じゃないのか?」
上田「カタカナ=英語って,おまえ小学生か?う~ん。なんとなくランドセルっぽいかな」
八木「私はオルガンにします」
スギタ「俺はボタンだ。牡丹に蝶と猪で勝負」
兜先生「花札か💢」
二階堂「僕はランドセルにします」
兜先生「なるほど。全部出そろったな」
スギタ「勝負や!」
兜先生「正解はランドセル。オランダ語ではranseluと書いてリュックサックを意味する。ランドセルはここから来たことばだ」
スギタ「あらま,負けちまった。もうひと勝負」
兜先生「おいおい💨。ちなみにボタンとオルガンはポルトガル語由来だな」
上田「アー,そうだった」
兜先生「よーし。今日の授業はここまで。しっかり復習しておくように」
一同「はーい」