スノームーン

はるか「先生,月がとっても綺麗です」

塾長「ほほう,漱石の言葉みたいだ」

はるか「夏目漱石ですか?」

塾長「漱石の“I Love You”の意訳だよ」

はるか「へぇー,なんか素敵ですね」

塾長「そうそう,今日は満月だね」

はるか「空を見上げたらまん丸のお月様が私の方を見ていたんです」

スギタ「単なる勘違いだろう」

はるか「もう💢」

二階堂「二月の満月だからスノームーンですね」

スギタ「相撲ムーン?ドスコーイ👐」

塾長「スノー,雪だよ」

ななみ「スギタはロマンチックじゃないからダメですよ,塾長」

塾長「毎日勉強や部活で忙しいけど,夜空の月を楽しむくらいの余裕がいいね」

はるか「三月の満月はなんて言うの?」

スギタ「はいはいはいはい✊」

塾長「はいは一度でいい。ではスギタ」

スギタ「三日月や<(`^´)>エッヘン。」

塾長「ああー。まったく期待を裏切らないやつだな,お前は」

二階堂「ワームムーンです」

はるか「ワームって?」

二階堂「芋虫だね」

ななみ「芋虫!えーなんで」

二階堂「春が来て暖かくなると芋虫が土の中から出てくるというのが謂れみたいだ」

ななみ「へー,さすが二階堂君」

塾長「日本の二十四節季の啓蟄に当たる時期だね」

スギタ「けい……?んんん⁇なんて読むんだ。けいむし,あっ毛虫だ。毛虫も出てくるのか。やだな」

はるか「けいちつよ,スギタ」

ななみ「もー💢スギタったら」

塾長「啓蟄は土の中で冬ごもりしていた虫たちが出てくること。日本人もアメリカ人も季節を同じように感じているんだね」

はるか「もうすぐ春ですね。よし,春を迎える前にもうひと頑張りしよう」