明治大学の学部・学科 その4・理工学部

上田「塾長,理工学部には機械工学科と機械情報工学科がありますが,どう違うんでしょうか?」

塾長「おや,情報通の上田君らしくもない」

上田「おおよそのことは分かるんですが,細部になると分からないんです。大雑把にはハード面なら機械工学科,ソフトも含むのなら機械情報学科まではいいんです。じゃあ,人工知能を用いたロボットのことを学びたいなら,どっちがよりいいのか考えてしまうんです」

塾長「この悩みは昔から聞くことで,かなり微妙な差のようだ。実際にこれら2学科に行った卒業生ですらはっきりした違いを言えない学生もいた」

上田「どうすればいいんですか」

塾長「高校3年の6月には明大公開講座という,付属校の生徒対象のものがある。このときに自分の興味のある学科の授業を受けるといい」

上田「大学の授業が受けられるんだ。楽しみだな」

塾長「この2学科と似たことが,以前は電気工学科と電子通信学科であったが,今は統合されて電気電子生命学科となった」

上田「生命理工学が加わったんですね」

塾長「公開講座以外にもオープンキャンパスで学科の先生や職員に話を聞くことが出来る。そこで自分が希望する方向がどっちなのかを見るといい」

二階堂「ところで数学科と物理科の推薦者が0の年もありますが,これってその年に推薦枠がなかったってことですか」

塾長「いや,そういう訳じゃない。希望者が居なかったんだ」

はるか「もったいない。推薦枠を無駄にしたってこと」

塾長「結果的にはそうなるね」

二階堂「数学科や物理科って人気ないんですか」

塾長「数学大好き人間としては何とも残念だが,付属校の生徒には人気がないね」

はるか「何でですか」

塾長「純粋系の学科なので,数学や物理が好きか得意でないと行く意欲が湧かないのだろう。あるいは行ったあと自分の学力でついていけるか心配なのかも知れない」

はるか「私なら絶対無理」

スギタ「もともと無理じゃん。お前文系だろう」

はるか「ほっといてよ」

塾長「建築学科や情報科学科など専門性が高い学科はあるが,この辺りは人気あるね」

二階堂「友達に将来建築士になりたいっていうのが居ます」

塾長「そうだね。そういう人は建築学科を目指すべきだね」

上田「大学入ってからは数学力は大事ですか」

塾長「応用化学科を除く学科では,1年次での数学は必修なのできっちり高校数学,特に数学ⅡとⅢはやっておくべきだね」

上田「大変だけどやり甲斐がありますね」

塾長「理系に進む人には大学院までのことも視野に入れて欲しい。専門職に就くためにもそれがいい」

上田「そうなると英語も大事ですね。やること多いけど,頑張ります」

つづく

明治大学の学部・学科 その3・文学部

狭間「あら,ひろみちゃんは今日も読書ね。何読んでるの」

ひろみ「メリーポピンズです」

ふみや「へー,どれどれ。げッ,英語」

狭間「原文で読んでるの。えらいわね」

ひろみ「原文の方がニュアンスが伝わるんです」

ふみや「信じられない。英語で本を読むなんて」

狭間「ひろみちゃんは本が好きみたいね。進学先は文学部が希望かしら」

ひろみ「はい,文学部の文学科です。英米文学専攻か文芸メディアがいいです」

ななみ「そういった分野があるんだ。全然知らなかった」

ふみや「ななみは理系志望だものな。文学部は縁がないか」

ななみ「文学部って他にどんな学科があるの」

ひろみ「文学科には日本文学やフランス文学・ドイツ文学それに演劇専攻もあるわ」

スギタ「演劇,芸人にでもなるのか?まあ,明大出身の芸人も結構いるしな」

上田「まさか,お前じゃあるまし」

狭間「演劇といっても自分でする方じゃなくって,舞台装置や衣装・演技などを論理的に学ぶのよ。宝塚の研究もあるみたい」

ななみ「本当に知らない世界だわ」

ひろみ「楽しそう」

上田「学科としては日本史や西洋史,あるいは考古学や地理学を学ぶ史学地理学科と,臨床心理・現代社会学専攻の心理社会学科がある」

ふみや「そこ,最近哲学専攻ってのも出来たよな」

狭間「明治大学も新しい学科や専攻がどんどん増えているのね」

ななみ「でも文学部って就職大丈夫なの」

ひろみ「私は将来絵本を書いて世界中のこども達に本を読む楽しみを伝えたいの。だから出版社がいいな」

狭間「一般的には文学部の就職先は理系や社会系よりも大変って言われるけど,ひろみちゃんみたいにしっかりした考え方を持っていれば心配ないわよ。会社だってきちんとした考え方を持っている学生を採用したいのだから」

上田「心理社会学科は特殊な感じがしますが」

狭間「確かに明大の中ではちょっと異質かも。心理学や哲学は他学部ではそうそう学べないわよね。専門性が高いだけに,本当に行きたいかどうかよく考えてから選ぶことね」

ふみや「う~ん,難しい選択だ。よく調べなくっちゃ」

狭間「そうね,心理社会学科は推薦者数も少ないから,志望者が多いと激戦区になるわね」

上田「それは文学部全体の専攻で言えますね。ほとんどが1人か2人しか推薦枠がないから,誰が志望するかで状況が変わる」

ひろみ「希望が叶いますように」

つづく

明治大学の学部・学科 その2・法学部

二階堂「明治大学の中でも法学部は大学の中核をなすものですよね」

塾長「確かに明治大学は法科学校から始まった。法学部のパンフレットには『明治大学の歴史は,法学部の歴史でもある』と書かれているようにその重みはあるね」

ななみ「でも法学部って六法全書を片手に,法律のオタクばかり居るイメージがあるわ」

はるか「なんだか堅そう」

塾長「もちろんそういった学生もいるかもしれないけど,塾の卒業生で法学部に進んだ卒業生はそうでもないぞ」

二階堂「どんな先輩方がいましたか?」

塾長「ある卒業生は後輩が法学部に進むか悩んでいたときに,親身に相談に乗ってくれた。ちょっとだけアドバイスして欲しい,と頼んだところ30分以上も法学部のことを説明してくれた」

二階堂「いい先輩ですね」

塾長「うん,いい奴だ。今は彼がなりたかった雑誌社の編集をしている」

ふみや「法学部卒で出版社ですか」

はるか「裁判官とか弁護士じゃないんだ」

二階堂「そう簡単に司法試験は受からないさ」

塾長「別の卒業生は,裁判員裁判のことを話してくれた。ゼミで議論が白熱したときに『善意の第三者の意見に救われることがありました』と言っていたのが印象的だ。彼が法学部=六法全書を覚える,ばかりではないと言っていた」

ななみ「弁護士になったんですか」

塾長「いやいや,商工会議所に就職した」

はるか「法学部に行ったからって,弁護士や裁判官になるわけじゃないのね」

二階堂「難しいからな。司法試験は」

塾長「法学部に限ったことではないが,進む学部と職種が一致するものではない。まったく関係ないところに就職することもある」

はるか「ところで塾長,ここ2・3年で法学部の推薦枠が増えたって本当ですか」

塾長「明大中野校は平成28年度は43名から29年度66名,明大中野八王子校は平成27年度の30名から28年度36名,29年度40名と増加した」

はるか「すごい,すごい増え方ですね」

二階堂「何があったんですか」

塾長「いろいろ内部事情もあるだろうが,まあ事実として素直に受け止めればいいんじゃないかな」

上田「増えたことで最近は法学部の推薦が取りやすくなったようですね」

塾長「確かに今は明大中野校も明大中野八王子校も,ボーダー付近で推薦が取れるようになった」

二階堂「法科の明治としてはプライドが許せない事態だ」

塾長「受験で明大法学部を志望校にしている人にはショックかもな。でも,それはそれ,付属校の生徒としてきちんと考えて,点数に関係なく法学部を選ぶことだね」

八木「栄枯盛衰。世は移り変わるもの」

二階堂「そうだな,人気のあるなしにこだわらずに自分の道を突き進むのみだ」

つづく

明治大学の学部・学科 その1・総合数理学部

はるか「明治大学って総合大学ですよね,塾長」

塾長「一般に人文科学・社会科学・自然科学系がすべて揃った大学は総合大学と呼べる。すなわち明治大学は総合大学と言えるね」

はるか「だとすると,すべての学部が揃っているんですか」

塾長「『すべて』が何を指すかによるが,他の大学にあって明大にない学部もある」

ななみ「えっ,そんな学部があるんですか」

塾長「そうだね。代表的なのは医学部と教育学部かな」

上田「薬学部もありません。あと芸術系やスポーツ系もありません」

ななみ「なるほど。でも私は農学部があればいいわ♡」

塾長「理系にはそれ以外に理工学部と総合数理学部というものがある」

はるか「総合数理?なんだか難しそうね」

塾長「総合数理学部は明大の中では一番新しい学部だ。校舎は中野にある」

上田「明大4個目の校舎ですね。一度行ったことがあります」

はるか「どんなことしているんですか」

塾長「現象数理学科,先端メディアサイエンス学科,ネットワークデザイン学科の3つからなる。大学のパンフレットによると『既成概念にとらわれず,自由な発想で現実社会の問題を自ら解決していく』そんな学生を育てたいとある」

二階堂「自由な発想ですか。いかにも理系って感じですね」

スギタ「俺も自由に生きてるぜ」

上田「意味が違いすぎたぜ」

塾長「先端メディアではプログラミングを学んで,人工知能やコンピュータグラフィック,バーチャルリアルと3Dプリンターによるデザインなども学ぶ」

ユースケ「ゲームクリエーターになれるんですか」

塾長「ユースケ君,残念ながら先端メディア=ゲームではなさそうなんだ。実はミンミンゼミナールの数学の先生の中に,先端メディアの学生がいるんだ」

ユースケ「えっ,教わりたーい」

塾長「その先生によると,ゲームクリエーターになりたいのならむしろ専門学校に通った方がいいかもしれないって言うんだ」

ユースケ「そうなんですか」

塾長「ユースケ君はまだ中学生なんだから,幅広く知識を付けることだね」

スギタ「ゲームばっかしてるなよ」

塾長「どの学科でもそうなんだが,学科の名前で判断せずにきちんと調べてどこに進みたいか,あるいはどこに進むべきか判断して欲しいと思う」

二階堂「塾長,次は法学部について教えて下さい」

つづく

学力テスト

上田「明日は学力テストだ。今夜はしっかり寝ておかないと」

スギタ「お前アホか」

上田「何だ,藪から棒に。そもそもお前にアホ呼ばわりされたくない💢」

スギタ「学力テストなんてどうせ成績に関係ない。ちゃちゃっと済ませばいいさ」

タカヒロ「先輩,そうなんですか?」

上田「成績に関係ない,という点では正しいな」

タカヒロ「じゃあ,スギタ先輩のいう通り,きちんと受けなくてもいいんですか」

上田「それはちょっと違うんじゃないかな。確かに成績には関係ない。けれども自分の実力が全国レベルでどれくらいかを測る絶好の機会だ」

はるか「そうね。もし将来明治大学以外の大学を受験するときのひとつの目安にもなるものね」

上田「タカヒロ君は中学生だから,受験したと仮定して今の実力で明大中野高校に受かるかの判断になるね」

タカヒロ「無理ですよ。受験で受かるなんて」

はるか「でも,高校から入学する人達の多くはその手の試験では高得点のはずよ」

タカヒロ「そうか,真面目に受けなくちゃ」

スギタ「大丈夫,大丈夫。結果悪くても高校には上がれるさ。人生楽しまなくっちゃ」

はるか「確かに成績には無関係だけれども,そうした姿勢がふだんの成績にも反映するのよ」

タカヒロ「分かりました。僕,真面目に学力テストを受けます」

社会科の勉強法

はるか「兜先生,社会科の勉強でいつも悩んでいるんです」

スギタ「社会科なんて覚えるだけじゃないか。頑張って覚えりゃいいんだよ」

兜先生「そう言いながらも毎回平均点も超えられない人が居るんだな」

スギタ「ギクッ」

はるか「でも,確かに覚えることは必要ですよね」

兜先生「もちろん必要だけれども,単に丸暗記では太刀打ちできない問題もある」

ふみや「よく,日本史は流れをつかむのが大事だと言われますがそうなんですか?」

兜先生「大雑把な流れや時代背景の知識はもちろん必要だね。でも,日本史に限らず大事なことがある」

はるか「何ですか」

兜先生「まずは学校の授業をきちんと聞くことだ。特に社会科や国語は学校の先生の話すことを授業中にしっかり聞くことだけで成績に繋がることがある」

スギタ「でも眠くなっちゃうんだよな」

兜先生「おいおい,しっかり家で寝とけよ」

ふみや「でも,単に聞いているだけでいいんですか」

兜先生「真剣に聞くのも集中力が続かないよな。けれども重要なところは先生の声のトーンも変わるもの。そこを捉えることだ」

はるか「う~ん,聞き取れるかしら」

兜先生「大丈夫。自分の判断で構わない。それと1回の授業で3つは板書以外のことを書き記すこと」

ふみや「どんなことを書き留めるんですか」

兜先生「それも自分の感覚で構わない。書き留めることを授業中に探すことは,その授業に集中していないと出来ないからね」

はるか「なるほど。重要事項を探し求めれば集中出来そうですね」

ふみや「うん,次の授業からそうしてみます」

明大推薦の仕組み・その4「平常点」

ふみや「テストの点数が良くても,10段階評価が低いときがあります。何が原因でしょうか?」

塾長「考えられる原因の一つに平常点があるな」

ふみや「平常点ですか?」

塾長「そう,平常点だ。仕組みは知っているかい」

ふみや「ええ,大雑把なら。提出物や小テストなんかの点数ですよね」

ななみ「ふだんの授業態度も関係ある先生も居るわよ」

スギタ「なら俺,0点や」

上田「だろうな」

塾長「提出物も単に出せばいいわけではない。もちろん内容がきちんとしていることは言うまでも無いが,大切なことがある」

ふみや「えっ,何なんですか?」

塾長「期限を守ることだ。提出したつもりでも,先生指定の日時に提出しないとまったく評価されない場合がある」

上田「締め切り厳守ですね」

塾長「そうだね。さて,次に明大中野校・明大中野八王子校共に小テストが多い。大変だろうがこのあたりをクリアできている生徒は,定期試験で多少失敗しても救われることがあるんだ」

ふみや「ふだんの地道な努力が大切なんですね」

塾長「その通り。ところで平常点がどんなふうに成績に加味されるか知っているかい」

上田「はい!定期試験の点数に0.8を掛けてそれに平常点を足します」

塾長「さすがだね,上田君」

上田「その上で10段階評価にします。テストで80点,平常点17点なら80×0.8+17=81点で評価9です」

塾長「完璧だ。補足する余地が無い」

上田「俺の仕事は完璧です<(`^´)>」

スギタ「大げさな」

ふみや「でも,本当に平常点って大事なんですね」

塾長「学校も定期試験だけじゃ無く,ふだんの君たちの地道な努力を評価しようとしてくれているんだ。その気持ちを感じることだね」

ふみや「そうですね。ありがとうございます」