はるか「塾長,英語の勉強をきちんとするためにはどの学部がいいですか」
塾長「明治大学の場合,英語専攻といえば英米文学科があるね」
はるか「知ってます。でも英米文学科はどちらかというと英語の文学を学ぶってイメージがあるんです。語学としての英語を学ぶ場合はどうですか」
塾長「なるほど。だとすると,語学としての勉強とはどういうものになるのかな」
はるか「ええっ💦質問返しですか。う~ん。会話はもちろんのこと,その国の文化や習慣などを学ぶことかしら」
上田「会話出来るようになるだけなら大学より英会話スクールの方が手っ取り早い気がするけど」
はるか「そうかもしれないけど,もっと幅広く世界を広げたいの」
塾長「明治大学には比較的若い学部に国際日本学部というのがある。ここでなら語学の習得をしつつ,グローバルな観点でものを見ることが出来るかもしれないよ」
はるか「どんな勉強が出来るんですか?」
塾長「国際日本学部では,他学部とは異なり学科や専攻といった区分はしていない。『~領域』として,いくつものコンテンツを備えている」
はるか「どんなコンテンツがあるんですか」
塾長「例えば日本のアートやアニメの分析をするポップカルチャーや,絵画,美術,ファッションなどを研究する視覚文化研究,世界で活躍する人材育成を目指す国際関係・文化交流研究などがある」
上田「情報コミュニケーション学部と似ていますね」
塾長「そういう部分もあるが,根本は日本と世界をつなぐところにあるようだ。学部長からのメッセージにそうある」
上田「またずいぶん大上段に構えていますね」
はるか「それくらいの気概が必要なのよ。今の時代は。男の子も強くなってね」
塾長「やれやれ,上田君押され気味だな」
上田「そんなことありませんよ。ところで留学生が多いと聞いたことありますが,実際はどうなんですか?」
塾長「以前バイトで英語を教えていた先生の話では,ゼミによっては半分が留学生のこともあると言っていた」
はるか「どこの国からの学生ですか」
塾長「アジア圏の韓国や中国,インドからの学生も居る。アメリカやカナダ,イギリスにジャマイカと言っていたかな」
はるか「ジャマイカ!すごいですね」
塾長「外国の人たちと触れることによって,より一層自分が日本人であることを日本に居ながらにして意識できるかもね」
はるか「ちょっと興味が湧いてきたわ」
塾長「その姿勢が大事だね。自らもっと深く研究してみるといよ」
はるか「はい!そうしてみます」
つづく
アムステルダム・後編
兜先生「その通り。ロッテルダムもアムステルダムと同じ名前の付け方だ」
上田「ロッテル川のダムということですか?」
兜先生「いや,ロッテルじゃなくてロッテ川だね」
スギタ「ロッテ?ロッテというとガムくらいしか思い浮かばない」
二階堂「貧弱な発想だ」
スギタ「ほっとけや💢それにしても『ル』はどこから来たんだ?」
兜先生「ロッテルダムはオランダ語ではRotterdamでロッターダムと発音される。ロッテルダムはどちらかというとフランス語的な発音に近い」
二階堂「確かロッテ川の上流にはマース川があり,マース川はフランスからベルギーを経てオランダにたどり着いたように記憶しています」
兜先生「さすが二階堂君。1250年頃に,ロッテ川とマース川を仕切る堤防が造られ,その後16世紀頃から港町として栄え,オランダ第二の都市へと発展していった」
上田「なるほど,オランダは国の面積の4分の1が海面以下と聞きますが,こうした苦労が国を支えているんですね」
兜先生「運河と海路を繋ぐことで貿易の拠点となり,船の通り道を造ったことは歴史的な観点でも大きな役割を果たしているね」
上田「長崎にオランダ村がありますが,日本との関係も深いんですか?」
兜先生「そうだね。神戸港とは姉妹港提携を結んでいる」
二階堂「そう言えば以前神戸のメリケンパークに行きました。その中に『マーブリング・キッズ像』というのがあって,神戸港とロッテルダム港の姉妹港提携20周年を記念したもの,と説明があったような」
スギタ「おまえ,どれだけ記憶力がいいんだ」
兜先生「そうだね。子供が遊びに興じているビー玉はオランダから伝えられたもので,日本には最初に神戸に伝えられたと言われている」
上田「オランダか。なんだか親近感が湧いてきたぞ」
兜先生「親近感が湧いてきたところでクイズだ。次のうちオランダ語はどれだ。ボタン,ランドセル,オルガン」
スギタ「みんなカタカナじゃないか。英語じゃないのか?」
上田「カタカナ=英語って,おまえ小学生か?う~ん。なんとなくランドセルっぽいかな」
八木「私はオルガンにします」
スギタ「俺はボタンだ。牡丹に蝶と猪で勝負」
兜先生「花札か💢」
二階堂「僕はランドセルにします」
兜先生「なるほど。全部出そろったな」
スギタ「勝負や!」
兜先生「正解はランドセル。オランダ語ではranseluと書いてリュックサックを意味する。ランドセルはここから来たことばだ」
スギタ「あらま,負けちまった。もうひと勝負」
兜先生「おいおい💨。ちなみにボタンとオルガンはポルトガル語由来だな」
上田「アー,そうだった」
兜先生「よーし。今日の授業はここまで。しっかり復習しておくように」
一同「はーい」
アムステルダム・前編
兜先生「今日の地理の授業はオランダだ」
スギタ「チューリップ・水車・オランダ村」
兜先生「おいおい,それじゃ日本と言えば『芸者・富士山・新幹線』と同じじゃないか」
二階堂「いや,先生。それ古すぎます」
八木「私は同感できるな」
兜先生「いやー,すまんすまん」
スギタ「先生,ごめんで済めば警察が要らんでしょうが」
上田「先生,そろそろ授業に入ってください」
兜先生「そうだった。オランダの首都はどこか知っているかい」
二階堂「アムステルダムです」
兜先生「その通り。で,その都市名の付け方がオランダの発展に関係するんだ」
上田「都市名が発展に関係する?」
兜先生「そうなんだ。オランダにはチューリップや水車以外にも多いものがある。スギタ,何か分かるか」
スギタ「警察官」
二階堂「論外だな。運河でしょう,先生」
兜先生「その通り。オランダの最大都市アムステルダムに流れるアムステル川はその昔何度も氾濫があった」
スギタ「ふむふむ」
兜先生「それを防ぐためにダムを築いていった」
スギタ「ほーほー」
兜先生「そして運河を巡らせて発展していった。それがオランダ水の都・アムステルダムだ」
上田「と言うことは,アムステル川にダムを造ったからアムステルダムなんですか!」
二階堂「意外だな」
スギタ「んなアホな💢まるで駄じゃれじゃないか」
兜先生「けれどもそれが事実なんだな」
二階堂「もしかしてロッテルダムもそうですか?」
つづく
明大推薦 統一学力テストって何・その7
はるか「この前の明大推薦・統一学力テストの話の続き,お願いします」
塾長「明大中野校に比べて明大中野八王子校の高校3年の方が科目数が少ないことだったよね」
はるか「そうです,少ないと統一学力テストの比重が重くなる話です」
ななみ「それ,当然じゃない。学校の試験の科目数が少なければそれだけ統一学力テストの割合が高くなるわ」
はるか「だから,その仕組みをちゃんと知りたいの。理系のあなたには簡単な話かもしれないけど,文系には文系の理解度ってものがあるのよ」
塾長「まあまあ,そう熱くならないで。仕組みはそれほど難しくない。簡単にするためにこうしよう。もし学校の試験で平均点が8点で,明推・統一テストの平均点が6点だとしよう」
二階堂「明大中野校は12科目なので,このケースなら明大換算点は(8点×12科目+6点×6)÷18=7.33ですね」
塾長「ご名答👏」
はるか「何でなの?二階堂君文系なのに。それに6点×6は何なの?」
二階堂「3年での明推・統一テストが3科目×2回=6科目分ということだよ。ちなみに÷18の18は12科目+6回のこと」
ななみ「これが明大中野八王子校だと文系の場合(8点×10科目+6点×6)÷16=7.25点。理系だと(8点×8科目+6点×6)÷14=7.14点」
ふみや「げげっ,明大中野校と明大中野八王子校の理系だと同じ点数を取っても0.2点近くも違うぞ」
スギタ「何だよ,たかが0.2点くらい。ケチくさい」
塾長「ところがそうでもないんだな。10点満点の成績での0.2点は推薦される学部・学科にかなり大きな影響を及ぼす」
はるか「なるほど。科目数が少ないと統一学力テストの比重が重くなる仕組みが分かりました」
ふみや「それにしても,明推・統一テストが悪いとこんなに換算点が下がっちゃうんですね」
スギタ「恐ろしや,恐ろしや」
つづく
不安との戦い
高遠「先生,今回は試験を受けるのが恐いんです」
塾長「どうした,やけに弱気だな。今回はいつも以上に頑張っていたじゃないか」
高遠「だからこそ不安なんです」
塾長「不安の原因は何かあるのかな」
高遠「今までよりも時間を掛けて準備してきただけに,結果が伴わなかったらって考えると恐くなるんです」
塾長「なるほど。きちんと準備をしたからこその不安なんだな」
高遠「これだけやって来たのに,もし試験で失敗したらと思うと不安だらけになるんです」
塾長「試合前の気分かな」
高遠「近いものはあります。でも,2年生まではこんな気持ちにはなりませんでした」
塾長「不安と不満の違いは分かるかい?」
高遠「何となく…。不安は恐い,不満はイライラ…かな?」
塾長「そうだね。感情としての不安は自己に対するもの。不満は他者に感じるものだね」
高遠「不安は自己への感情ですか」
塾長「そう。自分に対するものだけに,なかなか見えにくいものなんだ。だから不安は増幅することがある」
高遠「なるほど」
塾長「けれども不安を感じられるということは,それだけ努力を積み重ねたこと。失敗を恐れずに自分の実力を確かめてきなさい。人生の中には何度か勝負所があるもの。そのひとつの試練が今回なんだ。為せば成る為さねば成らぬ何事も」
高遠「どういう意味ですか?」
塾長「強い意志をもってやれば,必ず成就するという意味だよ」
高遠「う~ん。頑張ってみます」
試験範囲
上田「中間試験が始まるな」
二階堂「試験時間割も出たし,計画的にやらなければ」
梅太郎先生「よし,授業はじめるぞ。今日の化学は『酸と塩基』だな。きちんと予習・復習はしてるかな」
二階堂「もちろんです。先週の問題を解き直しました」
上田「俺もやり直したけど,分からないとこがありました。先生あとで質問いいですか?」
梅太郎先生「もちろん,いいとも。ところでもう試験範囲は出ているよね。スギタ,範囲は把握しているか」
スギタ「そんなものは上田達に聞いてくださいよ。俺は知りません」
梅太郎先生「これだ💨上田君はちゃんと知っているよね」
上田「もちろんです。酸と塩基の水素イオン濃度までです」
二階堂「いや,pHの計算までは入ると聞いていたが」
梅太郎先生「おやおや,どちらが正しいんだ」
上田「ウチのクラスは遅れているので,二階堂の方が正しいかもしれません」
スギタ「何だよ,上田も頼りないな」
上田「お前に言われたくないや」
梅太郎先生「そうだぞ,スギタ。そもそも試験範囲を把握しているかそうでないかで成績に反映するものだ。ふだんから学校の授業はきちんと聞くことだな」
二階堂「後輩の学年では,試験範囲の一覧表が配られていました」
梅太郎先生「そうだね。そういうのがあると助かる。でも自分でしっかり把握することも大切だ」
スギタ「用意周到だな」
八木「準備万端の方が適しているでしょう。この場合は」
梅太郎先生「ことわざはそのくらいにして,化学の勉強だ」
はーい
明大推薦 統一学力テストって何・その6
塾長「前回は明大中野校の高校3年において,明大推薦テストの比重が高いことを話したね」
上田「2年で1回しか試験がないのに,3年では2回ある点で重みが違うということでしたよね」
はるか「そうそう,でも明大中野八王子校は2年も3年も2回ずつ試験があるから,明大中野校ほど3年での割合が高くない,と思うのは間違えだってことでしたよね」
塾長「間違いというと語弊があるけど,正確ではないということだ」
ななみ「何だか奥歯にものが挟まった言い方。スッキリさせて下さい」
塾長「君たちは2年での成績表は何科目かい?」
上田「明大中野校の場合文系は14科目,理系は13科目です」
はるか「明大中野八王子校は文系12科目,理系は13科目だわ。あれ?理系は同じだけど文系は中野校の方が2つも多いのね」
ふみや「ずるいぞ」
塾長「ところが3年になるともっと『ずるく』なるんだな。3年での明大中野校の科目数はどうかな,二階堂君」
二階堂「文系・理系共に12科目です」
塾長「そう,それに対して明大中野八王子校の文系は10科目,理系は8科目なんだ」
スギタ「ずるい,ずるすぎた💢」
ななみ「びっくり。そんなに差があるんだ。でもそれ,私たちのせいじゃないわ」
塾長「そうだね。学校が決めたカリキュラムだから。でも,少ないから楽とは言えない」
ふみや「どうしてですか?」
塾長「科目が少ない分,1科目の出来不出来で平均に大きな影響が出るんだ」
ななみ「あっ,そうか💡科目数が少ない=統一学力テストの比重が重くなる,ですね」
塾長「さすがは理系。呑み込み早い」
はるか「どういうことですか?」
塾長「おっと,時間だ。続きは次回だね」
つづく